どうも!KAZUTOです!
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オイラーの公式とは
まずオイラーの公式とは
つぎのような公式をさします。
$$\Large e^{i\theta}=\cos \theta + i \sin \theta$$
これは数Ⅲで学習する内容で
複素数平面で大活躍してくれます。
なぜこの公式が成り立つか
というのは勉強する必要はありませんが
知っておくと何かと役に立つ場合もあります。
また
なんでこの公式が成り立つのか
めっちゃ気になる
という人のためにこれから
その導出過程を解説していきます。
導出するまえにしっておきたい「テイラー展開」
オイラーの公式を導出するにあたり、
テイラー展開
という技を使います。
これ自体は大学で勉強する範囲なので
簡単に解説するに留めます。
この技は
特殊な関数をべき関数($\large x^n$)で置き換える
(近似する)
ことを可能にしてくれます。
ではこのテイラー展開が
具体的にどのようなものかと言うと
\begin{eqnarray}\large f(x)&\large =&\large f(0)+\frac{1}{2}f'(0)x+ \frac{1}{2 \times 3 }f”(0)x^2\\
&\large +&\large … +\frac{1}{n!}f^{(n)}(0)x^n…\end{eqnarray}
これがテイラー展開です。
上に載せたものを特に
原点(x=0)周りでの
テイラー展開
というように言います。
(これはふ~んそうなんだーくらいで聞き流してください)
これは無限に続いきていきます。
(そうでない場合もありますが
高校の範囲であればそう思っていて問題ないです)
これをさらにコンパクトに書くと
$$\Large f(x)=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!}f^{(n)}(0)x^n$$
というようになります。
指数関数、三角関数のテイラー展開
それでは上で紹介したテイラー展開をやってみるとどうなるのか。
これは$\large e^x$の場合には
いくら微分しても形が変わらないこと
三角関数は
一回微分するごとに形が交互に移り変わる
ことなどに注意すると次のようになります
\begin{eqnarray} e^x &=& 1+\frac{1}{2}x+\frac{1}{6}x^2+…\\
\\
&=& \Large \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!}x^n \tag{1}\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}\sin x &=& x-\frac{1}{3!}x^3+ \frac{1}{5!}x^5-…\\
\\
&=& \Large \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n+1)!}x^{(2n+1)} \tag{2}\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}\cos x &=& 1-\frac{1}{2!}x^2+ \frac{1}{4!}x^4-…\\
\\
&=& \Large \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!}x^{2n} \tag{3}\end{eqnarray}
さて、オイラーの公式を導く準備が整いました。
次からその導出を見ていきます。
オイラーの公式の導出
まずオイラーの公式を以下に再掲します。
$$\Large e^{i\theta}=\cos \theta + i\sin \theta$$
この公式の左辺$e^{i\theta}$について
テイラー展開を実行すると
上の(1)式において$\large x→i\theta$
という置き換えを行い
$$\Large e^{i\theta} =\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!}{(i\theta)}^{n} \tag{4}$$
となります。
(4)式において、さらに
偶数番目の項と奇数番目の項に分けて展開して
\begin{align*}&\Large e^{i\theta}\\
&= \sum_{m=0}^{\infty} \frac{1}{2m!}{(i\theta)}^{2m}+ \sum_{m=0}^{\infty} \frac{1}{(2m+1)!}{(i\theta)}^{2m+1} \tag{5}\\
\\
\\
&= \sum_{m=0}^{\infty} \frac{(-1)^m}{2m!}{\theta}^{2m}+ i\sum_{m=0}^{\infty} \frac{(-1)^m}{(2m+1)!}{\theta}^{2m+1} \tag{6} \end{align*}
このように表すことができます。
(6)式において、第一項をよ~くみるとこれは
$\large \sin x$をテイラー展開した(2)式において
$\large x→\theta$という変換を行ったものに
形が一致しています。
さらに(6)式において、
第二項もよ~くみると$\Large i$以外の部分は
$\large \cos x$をテイラー展開した(3)式において
$\large x→\theta$という変換を行ったものに
形が一致しています。
以上のことから
$$\Large {(6)式の右辺}= \cos \theta + i\sin \theta$$
となることが言えました。
このようにしてオイラーの公式
$$\Large e^{i\theta}=\cos \theta + i\sin \theta$$
が導かれます。
オイラーの公式の導出を知ってると得すること
このオイラーの公式は別に覚えておく必要はないですが
覚えておくと少し得をします。
具体例で言うと
$$ x>0において \\
\\
\sin x > x-\frac{1}{6}x^3を示せ$$
という問題があったとします。
先ほどの展開の話を知らない人は、
この問題の見通しを立てることが難しいです。
しかしこのオイラーの公式の導出過程を知っていれば
不等号の右側が
sinを途中までテイラー展開したものだ
と気づけるでしょう。
そしてグラフ上は以下のようになっています。
この問題の実際の解法としては
$\large f(x)=\sin x-(x-\frac{1}{6}x^3)$を定義して
$$\Large f(x)>0$$
が$x>0$において常に成り立つことを
示すことになります。
オイラーの公式の導出は知らなくても
全然問題ないけど知っておくと
少し得だから頭の片隅には入れておいてくれ!
今回はこれで以上だ!
今回は
オイラーの公式の導出
を解説していきます!